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2014年6月 8日 (日)

イメージの力

いや、それにしても、一昨日午後からずっとずっとず〜っと、雨が降り続いています。休みなく。どちらかというと、大雨。こんなに降っていいんでしょうか?たしか、先週の土曜日は、真夏を思わせる晴天だったかと思いますが・・・
最近の天気は、極端ですね。
アツイ、サムイ。
ゲリラ豪雨、ぎらぎらの太陽。
かつては、もっと間の季節・・つまり春とか秋とか、夏になりかけとか、はるが来たか来ないか・・とか。そういう微妙な季節の変わり目が長かったように思うのですが。
そういう季節にこそ、たくさんの言葉や色などの表現が生まれてきたように思いますが。なんだか、日本らしさが失われていくような気がして少し寂しい気分です。
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さて、出かけるのに躊躇してしまうような大雨の中。あと数日で終了と気づいて、大慌てで 国立新美術館へ「イメージの力 The Power of Images ー国立民族学博物館コレクションにさぐる」を見てきました。

まずとにかく、大変見応えのある面白い展覧会でした。
恥ずかしながら国立民族学博物館(みんぱく、というそうですね)の存在をまったく知らず、それが大阪にあるということを初めて知りました。

その みんぱく が持つ膨大なコレクションを(つまり資料ですね) 国立新美術館という場に展示する展覧会。資料として存在しているこれらのコレクションが、美術館という空間では、どう見えるのか?

世界各地の民芸品を、こんなにたくさん間近で見ることが出来たのが大収穫。そして、やはり美術館で展示することにより、これらが本来の持っているものとは違ったイメージで見えてきたのは確か。

想像以上の大きさでドンと立ち尽くす彫像や、布で作ったフラッグの細かい手仕事、仮面や木彫り人形の仕様や形の面白さ、ユーモアあふれる表情なのに大まじめな精霊像、見たこともないような大きさの篭・・
なんというか・・いわゆるアート作品の 格好つけて狙ったような? スマートな結果を考えたような? そういう小技は一切なく、ものすごく純粋な手仕事の末に生まれた制作物に、とにかく圧倒される。それは、この展示のテーマである「イメージ」の持つ力なのでしょう。
目に見えないものを、どうにか形に表そうとする力。宗教や呪術、精霊に対する謙虚な姿勢、目に見えない「時間」というものを一つの場所につなぎ合わせ、見るものに伝えようとする強い気持ち・・

展示されていた多くの民芸品(といっていいのかな)には、こどもたちの作品に通じるものがあるようにも思った。洗練されていない純朴なラインは、むしろ純粋に何かを信じて手を動かして出来てきた崇高なものにも思えたし、こざかしい「狙い」をもたない世界は、こどもたちの純粋な物作りに近いように思えた。

展示の最後に、エピローグとして、現代美術のインスタレーションと同じ展示方法で 農具や 漁で使う網、金属で出来た枕、考えられないほど大きな篭などが、白い空間に存在していて、確かにこれらは生活に必要な道具として作られたモノなのに、明らかに芸術作品として存在しているように思えました。ものの見方や既成概念を揺さぶるような展示でした。


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