こどもデザイン造形教室 作品のご紹介 / Q体
何枚もの板を重ねて完成させた球体です。
Q体 けいと(6年) 制作期間2017/4月〜2018/3月
■くふうしたところ
できるだけ表面をなめらかにすること
■むずかしかったところ
糸のこばんで円を切り出すこと
■どうして球を作りたいと思ったのですか
身近によく見る形で難しそうだったから
転がらないように置く台も制作。
少し曲がって切ってしまった板材をとってあったので、ツル先生アドバイスの元
それを利用することに。その中心部を糸のこ盤でななめに切り落として完成。
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自由制作のテーマとして
何を作りたいか?
球体を作りたい!
と、長く通ってきた教室卒業に向けての制作テーマを考えてきたKくん。
どんな素材で作りたいの?
「木!」
木を素材にして 球を作ることができたらいいな・・
始まりは、純粋な気持ち。
やってみたいな・・作ってみたいな
そんなところから。
でも、太い木材から
丸い形をどうやってつくるの?
ノミと金槌で 彫刻家のように 掘り出す?
え、まさか・・いや〜〜・・・
完成までに一生かかっちゃいそうだね。
しかも、先生も専門外
卒業までに仕上げるという時間制限もあるし
果たしてどうしたらいいかな?
そこで、ツル先生からのミッション、
「板を積層させて作ろう」
そこからスタートした球体制作。
そもそも球体ってどんな形なんだろう?
どんな条件をもつ形なんだろう?
これまで学校だけの勉強かと思っていた算数の知識がここにきて必要になりました。そう、勉強はつながっているんだよね、日々の生活にも考え方にも。
もちろん、ものづくりの知識や技術もすべてが編み目のようにつながっている。
どれくらいの球体を完成させたいか、そのときにどの大きさの円が何枚必要か、そのプランができたら今度は、コンパスで円を何枚も書きます。
板に書いた円は正確でなくてはいけません。
そしてその円を今度は、できるだけずれないように糸のこ盤で切ります。
円を切る。
これ、結構難しいわけです。
直線を切り出すよりよほど難しいのです。
そして、板が切れたら今度は中心に穴を開ける。これもできる限り垂直に、そして中心がずれないように・・・
そのあとは、ひたすら削る・・削る・・
粉まみれになり
単純作業に ぼーっとなり
それでも、
集中と 休息を 自分のペースで自分で決めて
自分と戦いつつ、実践していったKくんの成長ぶりに
傍らで見守っている私も心の中で拍手を送っていました!
卒業までに絶対完成させよう!
を目標にがんばりました。
ツル先生から届いた挑戦状にも、果敢に取り組み
ミッションクリアのための特製やすりを手作りし。
ところが、卒業二週間前になんと左手首を骨折するという
予想外のアクシデントもなんのその!
ツル先生ヘルプの元、やすりがけのコツを直接教えてもらい・・
ツル先生特製やすりを右手に
おがくずよけのカッパが 蒸し風呂のように暑くても負けず・・
ひたすら、身体全体を使って 削る削る!
そうして
とうとう完成した 「Q体」
自らテーマとして
幾何形体の一つである球体を選び
制作中の数ヶ月間、その形について考える事ができた・・
これは、貴重な体験でした。
一つの作品の中には
熱意や、時間や、心の動きや・・
形がそこにあるだけでなく
たくさんのことが、まさに積層されているのです。
完成直後の笑顔!
よかった、実によかった!
通い始めて8年半、集大成の作品にふさわしい作品が完成しましたね。
卒業と作品完成と・・・心からおめでとう!
おまけ/アトリエに入ったばかりの頃の制作風景
アプレットプラス こどもデザイン造形教室 http://aplt.jp/
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