2020/08/23

オラファー・エリアソン ときに川は橋となる  東京都現代美術館

今年の梅雨は長かった・・雨、雨、雨。 と思ったら、
今度は酷暑。

暑い
暑い
暑い〜〜〜〜💦


というわけで、普段事務作業をしたり ブログを書いたりしているデスクがある部屋の気温が高すぎて
気軽にPCを触ることができない。
じゃあ、エアコンをつけて涼しくすればいい? なんて・・どの部屋にもエアコンをつけまくって、どこへ行っても涼しい だなんて、
なんか、罪深くてできない・・
貧乏性なの?
いや、これ以上 外気温をますます暑くしたくないという気持ちも働く。

というわけで、結局活動範囲は狭まり普段通りの仕事が進まない。


本日、やっと気温が30℃を切る位に下がった。
こんなに過ごしやすいのか! と・・・思わずビックリ。

エアコンを切って、扇風機やサーキュレーターで対処できる暑さ。

ガマン比べをしているわけでは無いけど、寝ているときにもずっとエアコン漬けの睡眠は、実は疲れる。
自然の風がいい。 やっと少しだけぐっすり眠れたような気がした。



地球上に暮らす人々が少しずつ、近年の気候変動に危機感を募らせ始めた。
そんな折の、この展覧会。
行かない理由は無いだろう。

アートを通して、持続可能な世界をさぐる オラファー・エリアソンの展覧会


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そもそも、NHK Eテレの 日曜美術館で いつだったか、緊急事態宣言が出る前に この展覧会について放映されていたのを見た。
行ってみたいと思いつつ、コロナの感染拡大がひろがり、外出もままならない状況になった。
その後、緊急事態宣言が解除され、この展覧会も会期が延長され、そして8/16(日)に再びその放送を見た。 



 

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放送を見てから行って良かった。 これは、ただきれいだ、 と鑑賞するだけの展示ではなく、観る人に問題提起をしている展示なのだから。
どういう方法で表現しているかが、問題。

溶けかかった氷河。とけていく氷と顔料が混ざってできる絵画。
氷河がとけていく現実。

 

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二酸化炭素を多く出す飛行機を使わずに、鉄道を使って作品を運んだ軌跡。
その軌跡を形にして、観る人に提示する。

 

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キラキラと輝く光。
不定型な多面体がゆっくりとゆれる。
そこから壁や床に多数の形が反射されて、誰が観ても一瞬息を呑むほど美しいと感じるだろう。

その光の大元は?

自然光をソーラーパネルに取り込んで、表現している。(それに気づいている人が、観ている人の中に何人いたのかは不明・・・)

 

 

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サスティナブルな素材を研究しているプロジェクト

営利目的ではなく、持続可能な社会をアートを通して目指すプロジェクトに 科学者や建築家など100名を越えるスタッフがいること、一歩も二歩も先の未来を見据えて、大きなプロジェクトが動くこと自体に「豊かさ」を感じる。

 

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取り扱いがカンタンで持続可能な太陽発電式LEDライト リトル・サン

地球上の誰もが恩恵を受ける太陽光。それを使って発電するシステム。

形がカワイイ。
この形にすることで、オトナからコドモまで エネルギーというものに興味を持つような気がする。

 

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自然素材、野菜や植物を使った色素。

 

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特に光を使った展示が印象的。 素直に、美しく、いつまででも観ていられる。

大きなガラスのリングによって分光した光。

色は光りなんだ。
と。 

光があれば、色を観ることができる。と、改めて気づかせてくれる。

 

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動き続ける光。
色が入れ替わる、光を透過して色が変わる。

ずっとずっと変化し続ける。

このほかにも、
展覧会のタイトルになっている ときに川は橋となる は、とても写真にはおさまらない暗幕の中で 水の揺らぎを天井近くのスクリーンに写し出すシステム。 ああ、プールで泳いでいるときに、水の中に潜って水面を見上げると、太陽の光がキラキラと揺らいでいるあの、美しい波のキラキラを思い出させる・・・


ビューティー は、ミストが天井から降り注ぐ中をくぐり抜けると、くぐる瞬間に虹が見える。虹を体験することができる。

でも、観ているときちょうど、天井を向いて口を開けながら何度も行ったり来たりする幼い子がいたので、「遊び」のような空間になっていたけれど。




 

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展示会場 最後の方には、エリアソンの書籍を展示しているコーナーや、記録写真の展示など・・・
興味深く観た。

自然の中にあって、ふだん気づかない物を、ミラーを通して道行く人に気づかせたり
建築物に自然をあえてとりこむことで、自然の持つ美しさに改めて気づかせたり。
フィヨルドハウスについての映像も、その一つ。 会場の外にあったからか、ほとんどの人が観ていなかったけれど。


コロナ禍のお盆明け 8/18ということもあり、展覧会場が空いてるかどうか? 微妙な状況だったが
もう少し人が少なければ・・・
光との対話をしながら、本質を感じられたのかもしれない・・・かな。

やっぱり、人は
キラキラ大好きですから〜、 ただ きれい〜 かわいい〜 だけで見終わってないかな?

映え〜〜〜 って、想いながら写真撮影している人が多かったような気がしたのは偏見かな。


でも、問題提起を 美しさに替える、そこから気づかせる という手法には
私自身も含めて みんな、まんまと はまっているのかもしれない。

 

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外に置いてあったソーラーパネル。 これがなんだったのか、
気づいていた人はいたのかな・・?


 

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東京都現代美術館では、

三つの企画展が開催されていたが、一気に全部観た。最後にざっと常設展示も。 つまり午前中から夕方までずっと、美術館で過ごす。
途中、館内のカフェで軽くランチを。
(コロナが気になるから、外のパラソル付きテーブルで。
換気バッチリ、クーラーで身体も冷えきっていたから、外の暑さがほどよく中和させてくれた)

 

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常設展示は、リニューアル後初だったので今度また、ゆっくり鑑賞したい内容だった。
オノサト トシノブの油彩は、もう少しゆっくり観たかったかな。 




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2020/08/22

ピーター・ドイグ展  国立近代美術館

 

8月に入ってからと言うもの、東京は毎日35℃を越える猛暑日が続いています。

コロナ禍で、東京に住む人は、夏休みでも他県への移動は自粛。
イベント関係も中止のものが多く、例年のような夏休みとはいきません。
どこへ行くにも、マスクをしながら感染対策に気を付け、外出先で食事をするのもどうしようか迷うことも・・

こうなったら、今年は遠出ができない分、美術館にたくさん足を運ぶことにしよう。
館内は作品保護のこともあり、どこもヒエヒエなので、暑さ対策としてもおすすめです。

8月13日に、国立近代美術館で開催中の ピーター・ドイグ展へ出かけました。


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久しぶりの近代美術館。予約不要で入館。
ひとりで訪れている若い女性が多かったように思う。

外は酷暑だったが、館内はここまで冷やすか? という・・寒さ。一枚羽織るモノを持参するといい。

 

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予備知識もなく訪れた展覧会。

横に長い風景、水場に映り込んだ鏡面の構図作品が何点も。
時間や季節が、不思議に入り交じる。


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白や蛍光色、厚く塗り重ねた油絵の具の奥から見え隠れする色。

 

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彩度や明度のコントラストにより、観る人の焦点を合わさせる技。

 

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時間は夜、でもカラフルなモザイク柄の塀には昼間の光が当たっているかのような鮮やかさ。
エメラルドグリーンの空と前景は、劇場のようでもあり幻想的なもやがかかっているようにも見える。
遠景は遠くに行けば淡くぼやけていくのかと思いきや、右に鋭くカーブする塀の上端は鋭くシャープな曲線を描いている・・
入口に立つ時間と場所に似合わぬ二人の人間・・いったいここはどこなのか?

 

知らず知らずのうちに、絵の中に入り込み、場面を想像し、ピーター・ドイグの世界に引き込まれていた不思議。

 

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とにかく大きな絵。 長辺3メートル近くある画面は、写真では伝わらない。
蛍光色に近い鮮やかな色も実際にみないとわからない。

やはり、美術館に行って 実物を見ることでしか わからない。

 

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左右に立つ木、その間に見える影。
その影を次の作品では人物に見立てたそう。

確かに、影が別の何かに見えるときがある。

描く風景の中に、別のカタチが見えて来ないか?
風景の中にまた風景がひそんでいないか・・と、何重にも重なるストーリーを探すことって・・・確かに時々自分も考えることがある。

 

展覧会場の最後に、トリニダード・トバゴでドイグ自身が立ち上げたという「スタジオフィルムクラブ」
その手描きポスターが何点も展示されていた。

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鮮やかな色が、ポップなヘタウマイラスト的ポスターの魅力を引き立てているよう。
何点も展示されている中から、特に色鮮やかなモノに惹かれた。

何の予備知識もなく訪れた展覧会だったが、見応えのある作品ばかりだった。 
好き嫌いせず、とにかく足を運んで空間ごと実物を観てみることで、また新しい作家を知り新しい発見をする楽しさ。

ドイグ展のあと、常設展示もざっと見て、寒さに震えながら美術館を出ると
外はやっぱり猛暑だった。

こんなに気温差があるって・・・ ほんとに地球に優しいことなんだろうか?
美術作品を守るには必要なことなのか?


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ドイグ的構図・・・遠くに白鷺が。 水面に映るビル、よどんだ熱気と水面を覆い尽くす水草。
酷暑に時が止まったように、むせかえる空気。

 

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そうか、ここは皇居の近くだった・・・
ここにも、ドイグ風構図を見た。

東京に生まれ育ったけれど、皇居の門をくぐったことがなかった。
せっかくなので、暑さに負けそうだったけれど 平川門から大手門ルートに初潜入。

この季節、花も咲かなければ 葉も色づかない。
ただ、暑いだけ・・・
ということで、通る人はほとんどいない。

 

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石垣が気になる。
その形、区切り。 植物とのコントラスト。

 

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大手町に抜けると、無機質なオフィスビルが建ち並び、そのコントラストがまた気になった・・・



夏休みに、遠出は出来なくても
東京散歩は どこへ行っても新しい発見があって充分に楽しい!

暑ささえ克服できれば。


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2020/08/11

あるがままのアート/ 芸大美術館  バウハウス展 / 東京ステーションギャラリー

コロナ禍は、おさまるどころか
連休や夏休みも相まって・・
全国で感染者数が増え続けている状況です。

ここ半年はお家周辺が行動範囲 と言う人も多くみられるのですが・・。
なんだか市中感染、家庭内感染が拡がってきている模様。

おまけに、長い梅雨が明けたと思ったら、酷暑がやってきて 連日35℃を越える日が続くという厳しすぎる毎日。

自分の牙が進化しすぎて自身を滅亡させたマンモスと同じく、やはりこれは人間が進化しすぎたことにより、人間が人間自身に牙をむく時代になってきたのでしょうか。
便利な世の中がイコール『豊かな』世の中だというわけではありません、多少不便なくらいのほうが地球に優しかったのでしょう。

エアコンを使わないと、命に関わる熱中症になる・・ エアコンを使う、そしてまた地球温暖化が進む。
悪循環だけれど、結局そのサイクルに入ってしまいます。
人間にとって便利でお金が循環するのが『豊かな』ことなのか?
多少お金に不自由しても心身ともに健康で、季節の移ろいに心も変化させながら、日々の美しさや優しさに気づきながらゆったりと生活する時間こそが『豊かな』ことなのか?

地球に生きる私たちが、それぞれの根本的な生活そのものを問われ始めているように感じる2020年です。

なかなか、思い立ったらふらりと出かけると言うことができないこの頃ですが、先日
予約をして、観に行ってきたのが
上野の芸大美術館で開催中の あるがままのアート

作者の家族を始め、生活をサポートする周囲の人々の存在があってこそだとは思いますが
この、生きること = 表現すること  no art  no life   というテーマが心に刺さります。





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表現せずには生きていけない
毎日の決まり事としての表現・・・


 

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紙片を、細く細くカールさせながら切る。
毎日定刻に、切る。
そのすべてを、作家の母親は保管している。

紙片のすべてが、生きている証し。
集中して自分やモチーフと向き合っているピュアな時間。

 

 

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紙を毎日、ボンドで貼り続ける。
何枚も何枚も何枚も、毎日、毎日、毎日。
そうして一年半。
そこには、大きな鍾乳石のような形状をした物体。
意図的にできたものではない、力強さ。
量産は決してできないこの形。

このすべてに、生きている時間が積み重なっている。

 

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日本地図を、世界地図を、細かく区切って丁寧に塗り分ける。
はみ出さず、色えんぴつの芯の色がしっかりとわかるように、力強く塗る。
その周りには、点。
リズミカルに音を立てながら、垂直に打つ 点。
点。 点。 点。 
おそらく、点の位置、色は、絶対的な位置なのではないか?

 

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こちらも、中央から広げられていった細かい色のつながり、ひとかけらひとかけらがつながって行く・・
まだ終わらない、まだ終わらない と、周囲の予想を遙かに超えてその色の断片はつながって行く。

 

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ユニークでどこかひょうきんな表情の陶製オブジェ。
そのどれにも、繰り返される 粒 粒 粒。
できあがった時に、作者は記憶のカメラのシャッターを押す。

 

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一年に一度、落ち葉を集めてきて、ちょうど良い堅さの葉をしごきながら
手の中であれよあれよという間に、動物を折る。
見事なフォルム。
・・いや、なんで?
なんで、こんなに的確に葉脈を上手に形に取り込みながら、折ることができるのか??

折り葉の大群を前に、しばし圧倒される。

 

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こちらは、折り葉と同じ作者の切り紙。
これらすべてが、おそらくはさみによる技。
おそらく、下書き無し。
切って、切って、切りまくる!


時間をかけて映像と共に鑑賞する展覧会。
入場は無料ですが、とても『豊かな』時間を過ごしました。

やりきる表現 ってこういうこと
やりきる作品 の力強さ。
周囲がどうだとか、その先に何があるとか、これで儲かるとか
そういうことではない、生きるための行為、表現がこれほど、心を揺さぶられる物なんだと。

写真撮影不可の大きな作品も必見でした。
本物をぜひ観てほしい。 
おすすめの展覧会です。



その日は、もう一つの展覧会をハシゴ。

途中、不忍池で蓮の花を鑑賞。
東京のど真ん中なんだけど、どこか異国情緒があるのは、遠くに見える不忍弁天堂の屋根のせいか?
緑とピンクの配色か?

大きな蓮の葉と、垂直にポンポンと咲く見事な花。

GO TO TRAVEL も東京除外だし、密な場所への外出もはばかられるので
この夏休みは、外を散歩しながら Discover Tokyo もいいのでは?
(とはいえ、この日は梅雨明け前の涼しい日だったのですが、この酷暑では無理かな?)

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続いて向かったのは、 東京ステーションギャラリー バウハウス展

開校100年だということで、大々的にバウハウスについて展示されるのかな? 

 

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との期待をもって、やってきたのですが・・・・・。

1995年に池袋にまだセゾン美術館があった頃みた展覧会とはかなりの差があり、
パネルを読み進めて展示会場を進む構成で、おおまかなバウハウスの流れはわかるものの、これだったら 実物を観に足を運ばなくても
展覧会図録や、関係書籍を読むことでも足りるのではないか?
と、やや期待はずれの感想。
というわけで、帰宅後に そのかつてのバウハウス展の図録を見直してみた。やはり、展示のボリュームとしても、かなりの差でした。


ただ今開催中の展覧会は
入場制限をしていたり、チケット購入を予約制にしていたり、窓口で買えなかったりと、美術館によっていろいろなので
事前に必ずホームページなどで調べてから足を運ぶようにしましょう。

それにしても、インターネットが無ければ、もうチケットも買えないんですから・・・
この先も、どうなっていくのか? いろいろと心配な世の中になりつつありますね。

 

 

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2020/08/06

備忘録 深井 隆 物語の庭 板橋区立美術館

2020年は春先からコロナ禍が続き、現在もしっかり継続中で・・
時間がぽっかり空いたから、美術館でも突然フラッと行ってみるか〜
ということができなくなってしまいました。

4月、5月の緊急事態宣言があけて
ようやく少しずつ普段の生活に戻れるのかも???
と・・・・
まだ、希望が見え隠れしていた(?)6月12日
板橋区立美術館へ、車で出かけました。

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深井 隆 物語の庭
この展覧会は事前予約無し
ただし、マスク着用。

少しばかりの緊張感を持って、久しぶりの美術館を堪能。
人はほとんどいない!
静かな美術館内を、ゆっくり巡る。

大木をばっさりと 
しなやかに
潔く
形にした

祈りの空間のような・・

自然への畏敬を静かに深くたたえたような・・

そんな感覚でゆったりと
久しぶりに作品との対話をさせてもらった。

あれ?そういえば、板橋区立美術館は、リニューアルしたのかな?
(2018年に改修したようです)





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2020/02/15

マル秘展  六本木 21_21 DESIGN SIGHT 企画展

めったにみられないデザイナーたちの原画 と銘打って開催中の マル秘展

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デザイン・建築設計に携わっているクリエイター、美術やデザインを学ぶ学生たちも必見なら、将来どんな道に進むかはわからないけれど、おとなは一体何を考えているんだ???と のぞいてみたいこどもたちも必見!!

確かにめったにみられないだろう
この莫大な量のメモやスケッチやエスキース・・・トップクリエイターたちの仕事の裏側が見られるのです。

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一つのマークだって、こんなに時間がかかってるんですよ、
ね、  
「ちょこちょこっと描いてくれればいいですから」と安易に仕事を発注する そこのあなた!

あなたも必見です。

見えないところにどれだけの時間がかかっているか・・
あるいは、たくさんの引き出しの中から、引っ張り出されて
たたいたりのばしたりこねくり回したりされながら、できあがってきたか????

そして、クリエイターたちは常に考えている!
常に手を動かしている!
それを続けている!


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ここのところ、新型コロナウィルスが気になって
なかなか出かけられないのが残念ですが・・・・・

3月8日までなので、やっぱり見ておいた方がいいと思いますよ。

備忘録 2019年10月〜2019年12月

昨年秋から、
いくつか展覧会を観ていたのですが
ちゃんと記録もせず、怒濤の年末へ・・

展覧会はすっかり終了していますが、備忘録的に保管しておこうと思います。


●2019年10月30日

上野 国立西洋美術館 ハプスブルク展

歴史を勉強してからみればより一層おもしろいのだろうけれど・・・ でも、その当時の甲冑を何体かみられただけでもおもしろかった!
ついつい帰りに芸術新潮『ハプスブルク家のラブゲーム』を買ってしまったという。
常設展示も見応え充分。


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●2019年10月30日

上野 国立西洋美術館 ゴシック写本の小宇宙

カリグラフィを勉強している人なら必見でしょう。 羊皮紙に描かれた極小の文字たち!


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●2019年10月30日

上野 東京芸術大学美術館 こんな授業を受けてみたい!

全国の幼稚園から大学までの美術授業を対象にした授業内容のリサーチ展示 加えて絵画教室や海外の授業も。

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●2019年12月2日 

原宿ラフォーレミュージアム  吉田ユニ展

ファッション〜エンターテイメント業界から引っ張りだこの人気アートディレクター吉田ユニの仕事。
その発想力と実現させてしまう力と・・・ 驚きのトリックの数々! 会場は若者だらけ。

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●2019年12月5日

練馬区立美術館 品川 工展

様々な技法にトライし、興味を掘り下げて作品を作り続けた。 興味を持ち続けることの大切さを目の当たりに。



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2019/10/22

バスキア展 六本木 森アーツセンターギャラリー

 

実は、二週間もまえのことになってしまったが、バスキア展を観た記録。


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六本木で バスキア展を開催中と言うことで
とにかく混雑回避 ・・急いで家を出て 平日 朝イチ 開館と同時に入場!

それでも、森美術館+森アーツセンターギャラリー行きのエレベーター前にはすでに人が!
焦ってどこに並んだらいいのか迷ったけれど、実は列をなしていたのは 森美術館の「塩田千春展」に並んでいる人たちだった。
バスキア展は、実はまだそれほど混んでいないのか?

いやいや、そんなことはない、これは平日朝イチなのだ。会場内には、結構 人がいる。


音声ガイドが無料という本展
音声ガイドを聞きながら会場内を廻る・・と、自分のペースで自分の感じたまま作品と対話することができないので、まずは、聞かずにざっと自分の目で確かめながら全体を鑑賞。そのあと、音声ガイドを聞いてみることにした。

聞いてみて思ったのだが、ありきたりの作品紹介しかなかったのが残念! 無料だから、借りてみてもいいが・・・内容は今ひとつ。作品を深掘りしたコメントは一切ない。


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バスキアの作品に、いわゆる画家が必ず通る道・・リアルに描くデッサンや習作、クロッキーとか・・油絵とか・・。そういう物は一切ない。

きっと、ウマイヘタでいえば、バスキアはうまくない。 モデルを前にして、デッサンなんてしたことがあったのだろうか?
もし、していたら 却ってその基本が表に出てしまって、こんなに大量の作品を生み出すことはできなかっただろう。


バスキアの作品は、即興的な感性で描いているんだろう・・そんな感じがする作品ばかり。
ピアノで言えば、クラシックの基本には一切触れないまま、いきなりジャズピアノに走る・・そんな感覚。

バスキアは、きっと頭の中に思い浮かんだこと、考え、言葉、イメージ、すべてをキャンバスや紙にはき出していたんだろう。
描く、と言うことは、言葉を発することと同等、呼吸をすることに近く、日々生きているそのものだったのではないか。

エスキースとか、アイデアスケッチとかの存在なんてあったのかな? 
すべてが本番だし、作品とかラフとかなんて、関係なくて 全部自分から「今 」出てきたもの、頭の中を駆け巡るもの、それをいつも吐き出し続けていたんじゃないか? 

まさに即興のジャズのように。

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今回の展覧会は、バスキアが描いた作品の中のごく一部の展示。

だとすると、尚更、バスキアは呼吸をするように作品を生み続けていたのだろう。 その作品量たるや!

即興的でセンスあふれる画風こそが、だれにもまねできないものであり、今でもファッション界でインスパイアされている証拠でもあるのだ。

コドモの落書きっぽくて、何を描いているのか訳がわからない、誰でも描けるような絵 という人もいる、でも・・
落書きでこんな風に描ける? といいたい。 狙ってこんな線は描けない。
こんな落書きが描けるなら、その人はすでに画家の域に達しているのだ。

 

 

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まあ、とにかく実物を観てみるしかないと思う、こういう作品は。
画集だとか、印刷物だとか。
そんな二次元的な記録物で、バスキアがいいとか悪いとか。 そんなことじゃないんじゃないのかな?
吐き出された「実物」を観て、そして感じるしかないんじゃないか? 好きとか嫌いとか。

 

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ありきたりの音声ガイドを聞いて思ったけれど、 この音声ガイドを無料でつけてしまうあたりが、バスキア展の軽さ・・なんじゃないか?
そう、・・商業的に創り上げられてる・・っていうか。

この自画像についてもそう。 表面的で陳腐なコメントを、さも それらしく演出して音楽と音声とでかっこよくまとめているけれど・・中身がないんだよな〜。
もっと、いろいろな人の評価をいくつか例に挙げて 観る人にどう感じるか、深く考えさせるような言葉を聞かせたっていいんじゃない?

ここまで王冠をたたいて並べている意味
木箱の蓋のような画面、左側に自画像、右に大量の王冠
蓋は閉まらないのか? なぜあえて閉まらないような形をしているのか?
そして、この作品を「自画像」とする意味。

 

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↑ これは館内の撮影可能な作品の中でも、一番好きな作品だった。
こういうメモのような、ラフスケッチのようなアイデア出しのような、まさに落書きのような・・
そういう集まりがバスキアらしくて好きだ。 
湧いてくるイメージ、頭の中の混乱、思うことがとまらない・・頭の中にある物をすべて取り出す。
それが凝縮された画面。 そこここに飛び交う色。 手書き文字の羅列。 そういったものがとてもグラフィカルでオシャレに見えてしまうのはなぜ。

 

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撮影不可だったけど、 「中心人物の帰還」という 黒地に白で文字やドローイングを集めた大きな作品、それが今作品で一番心に引っかかった。 結構好き。 カッコイイ。

 

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残念ながら、英語力に長けていないので このメモ書きが何を意味するか・・そこがわからないんだよ。
バスキアが考えていたこと、気になっていたこと、それを表現し、何を伝えたかったのか。
やっぱり、色や絵の具の塗りたくりや、筆致の力強さなどから受ける、感性のやりとりで受け止めるしかないのか??

展覧会の最後に、ミュージアムショップにて 展覧会の図録やバスキアにまつわる書籍をたくさん売っていた。
普段なら、必ず図録を買うところだが・・・
図録については、先に書いたように 印刷物で見てもあまり価値がないような気がしたのと
すでに家に一冊バスキアの画集を持っていたので、購入せず。

代わりに買ったのがこれ ↓

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バスキア ザ・ノートブックス

バスキアが手がけた8冊のノートブックス それらをとりまとめて翻訳したもの。

ノートに綴られたメモ書き、アイデアやイメージこそ、バスキアの作品や人格を読み解くヒントになるだろう。

 

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装幀が、本物のノートの表紙をそのまま使ったデザイン。
デスクに置いてあると、そのまま放置してしまいそう。

作品の印象が薄れないうちに、早めに目を通そう。

 

 

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バスキア展で目を引いたのは、ファッショナブルなパパやママと一緒に、超 垢抜けたキッズが楽しそうに鑑賞していたこと!
それが、一組や二組ではなく、結構たくさん。そんな会場内の雰囲気も、バスキア展ならではなのかも。

森ビルからの眺望も美しい! 手前には、国立新美術館、遠くには新宿が見える。
六本木という土地柄、帰りにショップめぐり、ちょっと足を伸ばせばミッドタウン、青山界隈の散策も楽しい。


閉幕まであと少し! 
バスキアは、たぶん実物を観なくちゃダメ。 Tシャツのプリントやポストカードじゃダメ。 実物を観てほしい。

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2019/09/13

虫展 六本木21_21 と ロイス・ワインバーガー展 ワタリウム美術館

9月に入っても、台風の影響からか 真夏のような猛暑が続く東京。
まだまだ夏気分です。

ついでといってはなんですが・・
2019夏休みの備忘録。



時は8月後半。
どこの展覧会を観ようか迷ったけれど、六本木21_21で開催中の 虫展へ!

酷暑の夏。 幸いなことに、8月後半のこの日は曇天。 湿度は高いものの、37℃越えなどと異常な気温ではなかった。

 

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正直言って、虫は・・・それほど興味も無く、大きな蛾や、ゴキブリ・・、幼虫状態なんてもってのほか、はっきり言って苦手〜。 予期せず突然 出くわした場合には、突拍子もない声を上げてしまう。そんな存在の「虫」なのだが。

なのに、この展示を観た後では
虫ってスゴイ 虫って美しい 虫ってキレイ 
キレイな虫を集めたくなる人の気持ちが多少なりとも、わかった・・ 

とまで変化した自分。(ただし幼虫の展示はありませんでしたが・・・唯一、レンズ越しにそれとなく見えた虫に人間はどんな反応をするか・・というものがあったのですが、それはやっぱり少し震えました)

何より、とてもわかりやすい。展示の意図が伝わりやすい。
昨年、デザインあ展を観た時と同様、佐藤卓氏によるディレクションはとても明快。

 

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入り口付近にずらっと展示されていた標本は、ため息が出るほど美しかった!
触角や足を、傷つけることなく美しくキレイに保存して・・・そしてまた新しい虫をここに並べたい・・というコレクターの気持ちが、少しわかった。 何種類もの昆虫が整然とレイアウトされているのは圧巻。
でっかい蛾や白いゴキブリ(言葉だけで聞くと、ひ〜〜〜っ!)を、じっくり眺めることができたのも、我ながらビックリ。


 

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↑ 虫の模様を発展させると・・
見せ方のデザインもシンプルでキレイ。

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↑ 同じ種類の葉っぱでも虫によって食べる痕跡がちがう。
痕跡から、どんな虫がいたのかを想像する。

・・考えてもみなかったことだが
こうしてレイアウトされていると美しさを感じる。


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↑ トビケラの巣

拡大してみることで、視点が変わることを改めて感じる。



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↑ 虫に名前をつけてみよう。
たくさんの言葉が並ぶ。



展示では、様々な方向から虫の美しさを「見せつけられて」 そこから気づくアイデアやヒントがたくさんあることを教えてくれる。

好き嫌いで排除してしまうのではなく、虫を多面的に観察し、そこから何を発見できるか。



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出口付近のホールでは、オトナからコドモまで 自分が考えた虫の名前について、その形状を考え楽しむことのできるスタンプコーナーが。

会期は11月4日までと、まだまだ時間があるので、ぜひ六本木へ足を運んでみてほしい。おすすめ!


その日は、六本木から外苑前の ワタリウム美術館まで歩いてみた。
そこで見つけた都会の中を切り取った風景。

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国立新美術館の横をすり抜けて青山墓地方面へ。
そのときに見つけた看板。

六本木でも、ヘビが出るのか!!


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虫展の後、虫を発見。 

どちらも、動かない。 暑さにやられちゃったのかな。
青山墓地下の壁にて。

 

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青山界隈にも、こんな風景が。
昭和の建物かな。

こういう出会いも、
裏道を歩いてみるからこそ!


蒸し暑い夏、外苑前までテクテク。

 

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そして、ワタリウム美術館に到着。 
そこで開催されていた ロイス・ワインバーガー展を観る。 ポップなポスターに興味を引かれて行ってみたのだが
自然をモチーフにして観る人の心をざわつかせる現代アートという やや難解な内容だったので、
比較することでもないのですが・・・コンセプトの明快だった虫展のほうに、軍配!

 

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そして、この後 原宿方面へ またしてもテクテク。

そろそろ、サンダル履きの足の裏が気になってきました。

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駅への近道 ということで、意を決して 竹下通りへ突入〜!
年齢層がやっぱり低い。 今や小学生〜中学生と外国の方がメインの通りです。

 

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竹下通りに来たら、やっぱり気になるクレープ。 全てがファンシーカラー。ピンク水色クリーム色!!
食べませんでしたが。

 

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原宿駅に到着して、山手線を待っているホームから見えた緑は、
動物に見えてきたから不思議。


展覧会と都会の裏道散歩。
近い美術館をハシゴするときにはおすすめ〜、ただしサンダルではなくスニーカーを履いていこう。


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2019/08/14

2019 夏休みにみにいきたい! 美術展 / 企画展

 

 

 

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お盆休みも終わりかけ、夏休みも終盤ですが!

それでも、やっぱり気になる!

現代アートやデザイン工芸に寄った展示をピックアップしていますが、この夏 観に行きたい展覧会(都内)をまとめてみました

 

品川

加藤泉  LIKE A ROLLING SNOWBALL
2019年8月10日(土)~2020年1月13日(月・祝)
原美術館
★原始美術を思わせるミステリアスで力強い人物表現

 

 

恵比寿

嶋田忠 野生の瞬間 華麗なる鳥の世界
2019年7月23日(火)~9月23日(月・祝)
東京都写真美術館
★ニューギニア島を舞台に、不思議な生態と華麗な姿で人々を魅了する貴重な野生動物を多数紹介

 

 

六本木

虫展
2019年7月19日(金) - 11月4日(月・祝)
21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2
★知れば知るほど不思議な虫たちを「デザインのお手本」にする試み

 

TUKU IHO  受け継がれるレガシー
2019年8月1日(木)- 2019年8月31日(土)
21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3
★ニュージーランド・マオリ芸術工芸学校の教員や学生が制作したマオリの伝統芸術・現代アート作品を展示

 

 


神宮前

ロイス・ワインバーガー展 見える自然 見えない自然
2019年7月13日[土]-10月20日[日]
ワタリウム美術館
★オーストリア出身のアーティスト、ロイス・ワインバーガーの作品を通して「見えない自然」を知り、考え、持ち帰る

 

 


竹橋

みた?―こどもからの挑戦状
2019年7月13日~2019年9月1日
東京国立近代美術館工芸館
★こどもの眼が切り取った工芸の根源的な姿をもとに、「色」や「もよう」、「質感」や「調度」など、これまでに取り組んだテーマを再構成。2020年の移転も目前。最後の東京の工芸館の夏

 


高畑勲展―日本のアニメーションに遺したもの
2019年7月2日(火)~10月6日(日)
東京国立近代美術館
★絵を描かない高畑の「演出」というポイントに注目し、多数の未公開資料も紹介しながら、その多面的な作品世界の秘密に迫る

 


日本橋

日本の素朴絵 —ゆるい、かわいい、たのしい美術—
2019年07月06日~2019年09月01日
三井記念美術館
★ゆるくとぼけた味わいのある表現で描かれた「素朴絵(そぼくえ)」

 

 

東京駅

マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン展
2019年7月6日~2019年10月6日
三菱一号館美術館
★絹地のドレスやコートなどの服飾作品を軸に、絵画、版画、写真、舞台関連作品、彼が蒐集した日本の染め型紙を含むデザイン関連資料等

 

 

メスキータ展
2019年6月29日(土)~8月18日(日)
東京ステーションギャラリー
★メスキータの全貌を紹介する日本初の展覧会。版画・ドローイングなど見応えタップリ

 

 

清澄白河

あそびのじかん
2019年7月20日(土)~10月20日(日)
東京都現代美術館
★6組の作家による、こどももおとなも楽しめる作品

 

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アプレットプラス http://aplt.jp/

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2019/08/13

ショーン・タンの世界展 at ちひろ美術館 / メスキータ展 at ステーションギャラリー / 野蛮と洗練 at 菊池寛実記念 智美術館

表題に示したが、三つの展覧会の備忘録。

実際に足を運んだのは、7/13(土)に、ちひろ美術館。 足を運んだというか、自転車で行ける距離なのです。
そして、あとの二つの展覧会へは、 7/15(月)海の日! 通常ほとんどの美術館が月曜定休というところが 多いのだが、
この日は祝日と言うことで開館。混んでいるかと思いきや、二つともストレスのない空間でした。


すでに会期が終了している展覧会なので、備忘録としての記録となるが

ショーン・タンの世界展 どこでもないどこかへ 

ちひろ美術館へは、家から自転車で20分ほど。 梅雨まっただ中、わずかな晴れ間を見計らって出発。
美術館は土曜日の午後と言うこともあってか、また会場そのものがこじんまりしているせいか 大勢の人が集まっているように感じた。
なんの予備知識もなく、チケットをいただいたこともあって とにかく行ってみることにしたのだが、とても良い展覧会だった。

鉛筆だけで描くモノクロの世界、文章を使わずにコマ割りのみでストーリーが展開する『アライバル』の原画。
空想の世界は、言葉がないからこそ、イメージをかき立てる。色も音も言葉も無いのに、絵の隅々まで見渡したくなり、想像の世界に没入してしまうようだ。 鉛筆でここまでの緻密な濃淡と細かなディティールを表現できるとは!
ファンタジー映画を見ているような気持ちにさせる、不思議な絵。
登場する生き物たちは、ありそうでなさそうで、愉快でかわいらしくて怖くて気持ち悪くて? でも、なんだか憎めない・・そんな感じがした。

会場を巡るときに、少し順序を間違えて 最新作の大きな油絵を見るところから見始めたのだが、会場内の いわさきちひろの原画もじっくりみて、
その後、本来なら一番最初に見るべき 『ロストシング』の原画のコーナー
美術館の閉館間際に、ロストシングのアニメーション原画や絵本原画 アニメーション上映に見入ってしまい・・その魅力に引き込まれてしまって ついついDVDまで買ってしまったという!!


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なんだろう?この、ありそうで、なさそうで 言葉を越えた世界共通の不思議な感覚・・
人間界のちょっぴり切ない気持ちのやりとりと、あり得ない生き物たちの登場と。この独特な世界観こそ、ショーンタンの世界なのだろう!

帰り道、またパラパラと雨が降ってきてしまい、急いで自転車のペダルを踏みながら帰路へ。


メスキータ展

東京ステーションギャラリーで開催中のメスキータ展(会期:2019年6月29日(土)-8月18日(日))
これまた、頂き物のチケットを手に、東京駅へ。 丸の内北口を出てすぐに美術館の入り口はあった。 実は、初めての東京ステーションギャラリー、どんな空間なのかと期待感を持って入館!

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木版作品を多く制作していたメスキータ、ショーンタンが描いた濃淡満載の鉛筆画とは違った、ハイコントラストのモノトーンの世界観を堪能できる。
描こうとする人物や動物・植物などのモチーフと背景の模様等をシンプルに構成しなおし、版画を試し刷りする間に版に手を加えながら絵を変更していく。
200点を超えるたくさんの作品は、ほとんどが版画作品であったがグラフィックデザイン要素の強いものばかり。プリントを重ねて変更していったり、版に手を加えてプリント段階での変化を作品にしてみたり。印刷過程の試行錯誤が作品となっている。

ドローイング作品も多数展示されていたが、展覧会での解説によれば、シュルレアリスムにおけるオートマティスム(自動筆記)の先駆けとあった。オートマティスム?・・私には、無意識に描いたドローイングというよりも、心の中を具体的に描いたもののように感じたけれども。
良く見ると、物語の一場面のようでもあるし・・ユーモアのある表情に見える登場人物は、小説の挿絵のようにも見えた。
木版のシンプルで明快で構成的な作品に対して、繊細で不可思議でハッキリしない部分も持ち合わせた曖昧で幻想的な世界。
相反するような二つの画風で制作することで、バランスを保っていたのかな・・。


野蛮と洗練 加守田章二の陶芸

ホテルオークラの脇にひっそりと建つ美術館、菊池寛実記念 智美術館 ・・・長い名前・・!
こちらも初めて訪れる場所であったが、まず虎ノ門という場所にほとんど行ったことが無い。
周りには大使館も点在し、道には警察官の姿も見られて物々しい雰囲気。
ホテルオークラは工事中だし土地勘ないし・・で、到着には少し時間がかかってしまったが、訪れた時期が涼しい時期で良かった。これが酷暑日だったら、道に迷った時点で 行くのをあきらめたかもしれない。

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美術館の内も外も、都会のどまん中にして静寂・・おとなの落ち着いた空間。(外は、若干 工事中のところが多いのでそこら辺は残念ですが)
地下一階の展示室に 陶芸作品が並ぶ。
陶芸などの工芸品のために作られた空間、ライティングも暗さの中から作品が浮かび上がるように設計されているようだ。
立体作品はぐるりと回り込んで観たいものだが、それも可能になるように 中央になだらかな曲線を描きながら展示台が置かれている。

加守田章二の作品は、タイトル通り 野蛮というか・・ごつくて力強い素材を相手にしながら、等間隔の波模様、幾何学的なパターン、それでいながら優しさも感じるような曲線。 優しさと きわどさ 冷静と情熱と、華奢とモダンと・・ 
バランス感覚がとても素敵だった。

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この展示はすでに終了。



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