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2018年8月

2018/08/30

2018 夏休みに観た展覧会 まとめ その2 国立近代美術館・東京都美術館・東京国立博物館

その1では、夏休み前半の展覧会巡りについて書いたが、その2は後半。

これまた、酷暑と酷暑の合間、奇跡的に30℃を下回った涼しい日。

8/29のご報告。
今回は、竹橋から上野を巡る予定をたて・・・いざ!

■国立近代美術館 ゴードン・マッタ=クラーク展

中学生の頃から、何度も足を運んでいた 竹橋の 国立近代美術館。
リニューアルしてからは、足も遠のいていた。

地下鉄の駅から地上に出ると、お堀端は通りが広く空も開けていて、皇居が近いこともあり落ち着いた独特の雰囲気で、なんとなく東京観光気分になるのだった。まばらに歩いている人にも、外国人旅行者が多い。




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お堀には、酷暑のせいなのか何が理由かはわからないが、水草がいっぱい。

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そもそも作者のこともよく知らなかった。どんな展覧会?と好奇心だけで観に行ったのだが、会場を巡るうちにドップリとその世界にはまった。

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マッタ=クラークは、70'sにニューヨークを拠点として活動していた現代アーティスト。現代美術というと、とっつきにくくてわかりづらくて・・という向きもあるが、この展覧会には、動線と共に比較的わかりやすい文面での説明書きがある。


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読み進めながら、作品を前に考える。

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館内はバックパッカー系の外国人も多く、各所に鑑賞者が点在して、映像や写真を前に作者の意図するところを考える。

ビルを切り取ったりぶち抜いたり、時計台や木にぶら下がったり、ゴミを固めたり、地下にもぐったり・・彼の問題提起は大胆で行動的で、社会を、人の心を揺さぶる。若くして亡くなった彼が現代に生き続けていたら、混沌とした今の時代に 何を問題とするだろうか?

あるいは、現在 自分たちが身の回りに感じている問題を、文字や言葉ではなく、彼のように行為や作品として提起するとしたら・・・・自分だったら何をする? 

いろいろとごちゃごちゃと頭の中をひっくり返されながら巡るうちに、予想外に館内に滞在していた自分がいた。

映像で興味深かったのは、foodについて、当時の市場や食をリアルに移しているフィルムだった。キレイに加工されていないありのままの当時のアメリカ。生活臭がプンプンする。

館内寒かったが、会場構成も空間デザインも良かった!

次に向かったのは、上野。

平日とは言え、まだ夏休み中のこどもたちや家族連れ、シニアのお友だち同士、外国人観光客・・ 
ワンサカ 人が歩いている!

■東京都美術館 おべんとう展

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こちらは館内写真NG

地下三階 江戸時代のお弁当箱の創意工夫や世界のお弁当箱コレクション、NHKサラメシでもおなじみ 安部了さんの写真がおもしろかった。
特に江戸時代のお弁当箱。外に持ち出して食を楽しむその風景をイメージしながらのデザイン、おせっかいなまでの事細かな配慮。何しろ、お重の蓋が碁盤になっていたり、双六になっていてコマが小さな巾着袋に入っていたり。これらのお弁当箱は、日常と言うよりも特別な日のお弁当なのだろうけど。
安部了さんの写真は、日常。日常のお弁当。飾らない、当たり前のお弁当の時間。だからこそ楽しい。

お弁当って、これだよな〜。海苔。・・デッカイ海苔!
味がしみたご飯。おいしいよな〜。

・・・普段作っているし、お弁当は日常の一コマ・・そんなイメージを持つ私にしてみると、地下二階地下一階に展示されていた 参加型の展示「おべんとうの精霊」 や 北沢潤氏による 「おすそわけ」の展示は ちょっとわかりにくく伝わりにくく、お弁当に対してのイメージの相違なのかな・・はっきり言ってイマイチだった。

参加している人をみても、なんとなく物足りない表情の人や楽しんでない感 満載でしたけど。 精霊からのメッセージも、お弁当じゃなくったっていいんじゃない?食べ物についての作者の考えでしょ。展示方法も、参加型にしては単調。どの部屋も同じ。ただ色と中にいるマスコット?が違うだけ。あんまりおもしろくない。
北沢氏の展示は、通路にたくさんの雑貨が並んでいたけど、私の前に歩いていたおじさんは係の人に、これはお店ですか?買えるんですか?って・・聞いてた。私もちょっとそう思ったし。お弁当と何の関係があるのか?コミュニケーション? 通じないな〜・・・フリーマーケットか不要品交換会みたいに感じてしまった(すみません!)

たぶん、作者二人とも、お弁当を作ったことがないと思う。いいすぎかな・・・どう? ちがう?! 
お弁当って、もっと家族的で、日常で、生活で、忙しいさなかでも無償の愛が実はつまってるっていうか・・・見返りを求めない心っていうか。そんなイメージを持つ私にしてみると、なんか違ったな〜。

三年前の同館での キュッパの美術館がおもしろかったから、同じ流れで期待して行ったんだけど、残念!

後から、調べてわかったのだが、最後のフロアに行き忘れて(!)見逃した展示があった模様・・・大塩あゆ美さんと小山田徹さん森内康博さんの作品・・・特にお父ちゃん弁当は、見たかった!私の思うお弁当の世界に近かったんじゃないかな。日常であり親子のコミュニケーションツールそしてクリエイティブ!・・そう、こういうコミュニケーションだよな〜ってね。
うむむむsweat02



そして、竹橋滞在が予想外に長引いたために、上野滞在が時間ギリギリになってしまい・・おべんとう展の次に、都美術館でやってる藤田嗣治展に行くか?それとも9/2までと会期終了が迫るトーハク縄文展に行くか?迷ったけど、縄文展へ! 

17時閉館なので、一時間しか見られなかった。 

■東京国立博物館 縄文 JOMON

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怒濤の縄文土器の数々、そして平日夕方でも混雑とは圧巻! 
紀元前3000年の土器とか、そもそも縄文時代は一万年とか・・あまりにも遠すぎてスケールが大きすぎてクラクラする。
しかし、土偶の表情・バランス、縄文土器が実際はとても大きくてがっしりしているとか、模様の左右対称や完成度の高さとか。

時間がない中、土偶の方に興味があったのでそちらを中心に動く。

真っ赤な壁紙、床・・その特別空間に展示された国宝土偶を何度も見つめる。
こういう一言で済ませていいのかどうかわからないが、カワイイ! 特に、縄文の女神のプロポーション! よくできてるな〜。 どうしてこういう形にいたったのだろう? 

・・走り抜けるように、かいつまんで鑑賞。

あっという間に蛍の光♪が流れてきてしまいました。

それにしても、やっぱり本物を空間ごと観る行為は大切だと思う。
五感を通しての刺激がとても大きいから。 

観る、感じる、考える・・。

そして、鑑賞するときには、小さなメモと鉛筆(美術館博物館はインクやペンを禁止しているところが多いので)を持参することをオススメする。 気になったところや、好きなところ、少しずつでもメモしておくと自分がどんなところに興味をもっているのかがわかるのでは?  
メモをすることで記憶にしっかりと残るし、アイデアのヒントをもらったり、背景を調べたいと思う発端になったり・・そこから何かがつながっていく。 
こどもたちには特に、美術館や博物館をそういう場としてどんどん利用してほしい。

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2018 夏休みに観た展覧会 まとめ その1 東京都庭園美術館・目黒区立美術館

連日記録的な酷暑が続く東京だったが、たまたま出かけたその日は涼しかった!
それだけでも、うんと得した気分。

普段まとめて観ることができないから、ここぞとばかりのてんこ盛りで
展覧会をハシゴ。

まずは、夏休み前半 7/27のご報告。 
この日も酷暑と酷暑の合間に訪れた奇跡的に涼しい日だった。だからこそ二つの美術館を巡る力も湧いたというもの。
効率的に回るために、近い場所で開催中の二つを選択。


■ 東京都庭園美術館 ブラジル先住民の椅子

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館内のほとんどが撮影OK。

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アールデコ様式の建物内、各部屋の照明やドアノブ、カーテン等の装飾具も含めて、空間全体を堪能しながら、ユニークな椅子たちを眺める。 

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会場の空間構成は、建築家の伊東豊雄氏。 
アールデコと 素朴な形体の椅子がコラボ。


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ハチドリやコンドル。

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椅子と空間、全体の色合いがマッチして心地よい。


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エイのユーモラスな表情・・・そもそもエイを椅子にするとは!


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ブラジル先住民の暮らしの隣には、あたりまえに広大な自然と動物が存在する。
椅子に表現された表情や形に、動物に対しての敵対心はなく、むしろ親しみや畏敬の念を感じる。細かく表現された模様にも注目。使い込まれていく色・ツヤが美しい。


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最後に新館に到着。ここは、これまでのアールデコ様式の建物とはちがってシンプルモダンな空間。


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まっ白な空間の中で動物たちに囲まれながら、身体をビーズクッションにゆだねて、しばし心の解放・ふしぎなリラックスを体感。

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都会の喧噪の中に緑豊かな庭園と共にある美術館は、日常の雑事から解放されリフレッシュするのにもとても良い場所でオススメです。


次に、庭園美術館から目黒駅に戻りそこからまた徒歩10分ほどで 目黒区立美術館。

北欧系のインテリア雑貨が人気の今、陶芸はどんなモノが並ぶのかを観てみたくて。

■ 目黒区立美術館 フィンランド陶芸 芸術家たちのユートピア


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こちらは、館内撮影NG

たくさんの壺や花瓶、普段使いの器等々が並べられた会場。
形や色使いにヒントをもらえるような気がする。

それで、どの作家が気になったかな、と考えたときに
フィンランド語は日本人にとって、頭に入りづらい(って思うのは自分だけ?)・・作家名を一度に覚えようとしてもなかなか厳しいsweat02

トイニ・ムオナとか、キュッリッキ・サルメンハーラ、アウネ・シーメス、フリードル・ホルツァー=シャルバリ・・・・

便利なことに、今の時代ネット検索すればすぐに画像が出てくるから。本物を観てそのあとの確認だけだったら結構かんたんにできる。(だからなおさら覚えられない、覚えないって、悪循環sweat02
ただし、やはりこうした陶芸などの立体作品は特に画像と本物とでは、色やスケール感、まわりこんで全方位で観られるかどうかが全く違うので、
なんと言っても実物を観ることが大切だ。

中でも陶板は初めて観たこともあり興味深く、その完成度や色合いの美しさに感心した。
ルート・ブリュック の作品は、情景を描いた絵画や幻想的な絵本の挿絵のようであったが、ビルゲル・カイビアイネンの作品は、彼自身、北欧陶器のブランドとして有名なアラビアのデザイナーとしても活躍した経歴の持ち主だけに 陶板に描く世界が図案化されている。そこがまた気に入ったところでもある。陶器とビーズ、陶器と透明プラスチック板など異素材を組み合わせて作品にしているところもおもしろい。
鳥のオブジェやチョウチョの表現など、かわいらしさが垣間見えて親しみを覚えた。そのあたりが北欧陶器の人気の秘密かもしれない。

目黒区立美術館は、隣が区民プールになっている。こどもたちのはしゃぐ声と水しぶきの音。夏休みらしい空間の横で静かに鑑賞の場を持てるなんて、さすが都会の目黒区、なかなかしゃれているなと思った。


(m)

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