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2015年8月19日 (水)

夏休みの美術館探訪 東京都現代美術館

お盆もあけて、いよいよ夏休みも終盤戦。
こどもたちの宿題進行はいかがでしょう? そろそろ、焦り始める頃かな?

この夏、いくつか注目の展示があるのですが、そのうちの一つ、東京都現代美術館。
そこで開催中の三つを見てきました。
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おとなもこどももかんがえる ここはだれの場所?
きかんしゃトーマスとなかまたち
オスカー・ニーマイヤー展

すべてに共通して感じたのは
オリジナルの大切さと 
手を動かし、描き創ることの美しさ。
それは、とてつもなく時間のかかる作業かもしれないけれど、その細かく繊細な作業こそが作品の力強さ、メッセージの強さにつながってくるのだろうと。
デジタルでは表せない、手や身体全体を使っての表現。

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特に印象に残ったのは、ここはだれの場所? ヨーガンレールの作品。

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海岸に流れ着く山のようなゴミを拾いあつめ、それをまた再構築するというもの。
まず、ゴミの多さに圧倒され、それを色ごと、形ごとに仕分けると、こんなにも見え方が変わるのかという驚きと、美しい自然の景観を汚す ゴミ という悲しい存在がヨーガンレールのアイデアと手作業によりこれが元はゴミだったのかと見まがうほどの美しいライトに生まれ変わること・・

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本来は、何も無い、自然そのものの姿こそが美しいはず。 ゴミを拾い集め ゴミを生まれ変わらせることで、そのメッセージが かえって強く伝わってきました。
ただし・・こどもたちがどう感じたかは ??? 

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なぜって・・・展示会場に居た こどもたちは、暗い中のライトには美しさを感じていたかもしれないけれど、行ったり来たり、アトラクションのように楽しんでいたからね。作者のメッセージは伝わっていたかな?? 

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他の展示もそうだったけれど、パネルに書いてあるコドモ向けの文章なんて読んでるコドモはほとんどいない。一緒に行くオトナたちが、ちょっと一声かけてあげないと伝わらないのかな・・ 作品だけで、メッセージを感じ取るってむずかしいのかな。どうなんだろう?

そして、同じく ここはだれの場所? では、
話題の 会田家の作品。 
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オトナには結構伝わるけど、こどもはどうかな。
どんな風に感じるんだろう。むしろ、聞いてみたい気がしました。

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会田家の息子、中学生の寅次郎くん、コンピューターが大得意だそうだがスケッチも秀逸。
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それから、この むずかしい本を読んだ後に描く という作品。
確かに、入ってくる言葉により左右される心・・それをかみ砕きながら描く行為により、作品は変わっていくのでしょう。 面白い。

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会田家の作品は、日常のよくあることを ホイッと裏返したらどうか? とか
口にはしてなかったけど、確かに心の奥底にだれもが持っているようなことをオープンに堂々と見せびらかしたらどうなるか?とか・・・
社会に対してのアンチテーゼなど、敷居を低くしながら考えるきっかけを与えてくれる場所かもしれません。

フィリピン出身でオーストラリアに住むアルフレド&イザベル・アキリザン の作品は、身近な工作材料、ダンボールを使って小さな家をたくさん集めたもの。

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こどもたちが作った一つ一つを集め、その置き方組み合わせ方で、こんな風に見えるんだと、なんだか楽しくなる。ダンボールの表現も工夫があって面白い。作っているモノはシンプルでも、構成を変えれば見え方は全く変わる。・・ということを気づかせてくれる。
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トーマス展は、最初、原画の量がすごいので、ささ〜っと流し見てしまったのですが・・
でも、後からもう一回きちんと見直したら。三組の作家さんが描いている。タッチも違う。 絵の具の温かい色、細い筆を使ってパースが狂わないように描く・・線路の枕木一つ一つも! 白く輝くハイライトも! 機関車の表情が楽しい。周りに居る人々や風景のタッチも!・・いい〜!
コンピューターじゃ、さすがにこの表現は無理です。 手仕事の温かさ ほほえましさ・愛情 を感じました。印刷物じゃ、わからない・・やっぱり実物を見るべきですね。

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ニーマイヤー展ですが、 建築については あまり詳しくなく・・
しかし、印象に残ったのは、彼自身がさらさらと美しい曲線をスケッチするところを写す映像。そして、その曲線を具現化して・・・広大な大地と融合させていること。自然を超えることはできないけれども、自然を敬愛しながら共存できるように設計すること・・・ 直線は一つだけれど、曲線のバリエーションって果てしない。その曲線を選び抜いて空間に置くって、すごいことではないか・・!

これらの展示の会期は10月まで。

まだ時間はありますから、是非一度足を運んで、空間に身を置いて、作品と対話してくることをおすすめします。
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