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2016年9月 5日 (月)

夏休みこどもワークショップ2016 夏のさかなを描こう!  報告

今日の東京は、突然夏に逆戻りしたような暑い陽射し。厳しい残暑でした。

ここ最近、台風が日本列島を通り過ぎたあとのその甚大なる被害についての報道が連日なされていますが、台風被害に遭われた地域の皆様には心よりお見舞い申し上げます。

夏休みこどもワークショップの後半、8月22日(月)は、ちょうど 台風9号が関東地方に直撃するとの予報が出ていた日。11年ぶりに、関東地方に上陸と聞いて、朝から不安になりました。

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お電話で確認させていただいたところ、遠方から ご参加予定だった方は、電車が止まってしまうことも心配されるのであいにく欠席となってしまいましたが(今回は大変残念でした。是非、機会があればご参加お待ちしております!)、ご近所にお住まいのみなさん参加予定とのことで、ホッとしながらも ワークショップ開始時が大雨にならないように祈るような気持ちでした。

今回のスケッチワークショップは、午後クラスのみの開催になりましたので、できるだけ新しい魚を用意したいと、その日の午前中、激しい風雨の中、魚市場へ車で向かいました。ウインドウにたたきつける風雨。不安を感じつつも、市場へ。

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案の定、お客は一人。閑散とした売り場は、台風の影響もあり魚の水揚げ量や種類も減った状態・・店の中にまで豪雨の音が聞こえてきます。時間的に考えてもちょうど風雨がピークだったのかも・・。

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そのような状況の中、選んだ魚は・・・メバル。
『夏のさかな』ではなく・・・春の魚
夏のさかなを選べなくて、ごめんなさい!
このメバル、春告魚とも呼ばれるそう。目玉が大きく、鱗もハッキリとした赤黒い色の魚です。ユーモアのある表情、カタチの面白さに惹かれて、ぜひこどもたちに観察して描いて欲しいと選びました。

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魚の体の色が赤いのは、深い海の中で見えにくくするため。赤味が強い方が底に近い場所で生息しているそうです。 魚の特徴やどんなところにすむ魚か、どうして口が大きいか・・フィッシュイーターといって、パクリと口を開けてプランクトンを食べてしまう・・等々 ツル先生から メバルにまつわる興味深い話を聞きつつ、さあ 本物をじっくり観察してみよう。

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自分の興味があるところは、どこだろう。

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鉛筆で軽くカタチをとったあと、カラーインクで輪郭をしっかりと描いたら、透明水彩絵の具で色つけです。

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外は激しい雨。 アトリエ内では、反対に静かな時間が流れています。 
こうして二時間しっかりと対象を見つめる時間に描かれた魚のスケッチは、どんな仕上がりになったかな?

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最後に、お母さん方も交えて、講評会の時間を作りました。

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たとえば・・魚の図鑑。今日のスケッチとの違いは何でしょう?
図鑑は、魚を正しく表現できているかどうかが大事で、その表現は生物として伝える部分を重視するので きれいにきちんと描かれているけれど、絵としては堅苦しくおもしろみがない。
でも、みんなのスケッチはどうだろう? 
それぞれの興味が違っていたり、感じる色も違っていたり、周りの氷を描いていたり・・それぞれとても自由で、のびのびとしている。そこがスケッチの楽しさであり、大切なところでもある。
個々がどう感じて、どう表現したいと思ったのか・・・。

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同じ魚を見たのに、描いた人によって変わるおもしろさ。それを認め合える自由。

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夏休みに限らず、また機会があれば スケッチのワークショップを企画できたらと思います。スケッチは、限られた時間内に描くことでモチーフを見つめることはもちろん、実は自分を見つめ、心や頭の中で考えを行ったり来たりさせる貴重な時間なのです。

*台風の中、ご参加ありがとうございました!


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