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2018年3月 7日 (水)

ミロコマチコ いきものたちの音がきこえる 世田谷文学館

先週金曜日、行くなら今でしょ、とばかりに急遽 世田谷文学館で開催中の展覧会 「ミロコマチコ いきものたちの音がきこえる」を見てきた。


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初めて行く世田谷文学館。
最寄りは芦花公園駅とある。芦花公園と言えば横浜方面へ向かう途中、環八を車で通るときに横目で見る程度で、その界隈を歩いたこともなかったし、車以外の交通機関は? 駅は? ・・・と、全く知らない土地だったが、よく調べてみると 荻窪駅南口から芦花公園行きのバスが出ているという。 ならば、それが一番行きやすい!荻窪までは自転車をとばし、駐輪場に置いてからバスに乗った。


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ここ数年ネット上で何度か見かけて、その画風が気になって目にとまっていた画家のミロコマチコさん。 勢いのある筆のタッチや、デフォルメされた動物たち。色や画面構成、なんだか気になる。これは原画を見てみたい・・・

というのも、アプレットプラスのこどもデザイン造形教室で、今年(2018年戌年)の干支にちなんで、お正月制作は犬の板絵をこどもたちに描いてもらうことにしていた。そのための資料として使う、「犬の写真」や 「画家の描く犬」をさがしていた。
ピカソの一筆描き、ゴーギャンの赤犬。
他にこどもたちに伝わりやすいタッチの画家や作品・・いないかな?
ミロコマチコさんの絵の中には犬はなかったのだが、ただこどもたちにも この筆の勢いや動物の息づかいを感じる描き方、毛並みや模様の表現、動物の形の表現方法などを見てほしいと思い、紹介した。
調べていると、なんと年明けから展覧会が東京で開催されると言うではないか!
これは見るしかない〜。
時間をとれるタイミングがなかなか無かったのだが、とうとう先週金曜日午前中にそのチャンスは訪れた。これは行くしか無い!・・となったわけだ。

そもそも私自身はほとんどミロコマチコさんについて経歴など知らず、ただ画風に惹かれて会場に足を運んだわけだが、作品を見ると・・・
うん、想像通り。

なんというか・・・・子どもの絵に近いのです。勢いとか形の取りようとか。
そこがとてもよい。
こんなことを書いては失礼かもしれないが、たぶん、きっと・・写実的なデッサンは描かない方だと思う。というか、そういう学び方をしてきたら、あんまりこういう表現にはならないのではないかと思う。 

というのは、体の構造がどうだ、とか、体の向きに対して頭の大きさや格好はどうだ、肉付きや立体感はどうだ、とか・・そういうものの見方をしていたらこんな絵は描けない。
そうではなくて、ただ感じたまま。五感で描く、画面がこの大きさだからそこにいれるにはデフォルメもいとわない、画面の中でレイアウトしてデザインして(そこは絵本作家としての使命?) そんな感じの絵なのだ。
描くことが楽しい、描かずにいられない・・息をするのと同時に筆を動かしている、動物から受けるインスピレーションを それこそ息づかいや足音をそのまま筆先に向けて体中を動かして描いている、あらわしている・・・あるいは、動物や植物の姿を借りて自己表現を楽しんでいる、そんな絵。


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こどもたち、特にまだ小学校にあがらない幼いこどもたちの中にも、絵の具で塗るのがただ楽しい、キレイだな、こんな風な色の動物がいたら楽しいな・・
そんな感じで色を塗って仕上げていく子がいる。
ある意味、実は何にも考えてない、ただ感じたままが体から出てくる・・。

オトナになっても、そんな表現ができるミロコマチコさんの絵。
現物を 展示空間の中で ライブで 見ることをおすすめする。
どんな方法であれ、表現するとはどういうことか。
モチーフを画面に描くと同時に、
「私はここにいるよ」
と示す表現・・・
そんなことまでも考えさせる展覧会のような気がした。

入り口付近のショップでは、ミロコマチコグッズがたくさん販売されていたが、印刷物になってしまうと、色もタッチも やはり薄っぺらい。

原画の色。
オイルパステルの真っ黒い画面。グイグイひたすら塗り込んで描いている一畳ほどもあるイノシシ。
こういう作品は、やはり実物を見なくちゃダメだな。


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チケットがコウモリの形のダイカットになっているところや
階段の手すりに、色透明のシールを切り取って貼ってある辺り。
発泡スチロールの大きなオブジェ、プラバンにアクリル絵の具を塗って透明・不透明の変化をつけたモビール。
そこら辺は、雑貨好き・カワイイもの好き の人たちの心をチョコチョコとくすぐる。


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この展覧会は、4/8まで世田谷文学館で開催中。
学校の春休み中もやっているということだから、ぜひ足を運んでみてほしい。
一階で同時期に開催している 「ムットーニのからくり書物」 もおもしろかったですよ。


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一階の喫茶どんぐりも、ランチ600円、コーヒー一杯250円と リーズナブル。
世田谷区の文化施設の充実は、他区住まいからすると羨ましい限り。

〒157-0062 東京都世田谷区南烏山1丁目10−10

開催中の企画展
交通案内


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