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2019年8月14日 (水)

ショーン・タンの世界展 at ちひろ美術館 / メスキータ展 at ステーションギャラリー / 野蛮と洗練 at 菊池寛実記念 智美術館

表題に示したが、三つの展覧会の備忘録。

実際に足を運んだのは、7/13(土)に、ちひろ美術館。 足を運んだというか、自転車で行ける距離なのです。
そして、あとの二つの展覧会へは、 7/15(月)海の日! 通常ほとんどの美術館が月曜定休というところが 多いのだが、
この日は祝日と言うことで開館。混んでいるかと思いきや、二つともストレスのない空間でした。


すでに会期が終了している展覧会なので、備忘録としての記録となるが

ショーン・タンの世界展 どこでもないどこかへ 

ちひろ美術館へは、家から自転車で20分ほど。 梅雨まっただ中、わずかな晴れ間を見計らって出発。
美術館は土曜日の午後と言うこともあってか、また会場そのものがこじんまりしているせいか 大勢の人が集まっているように感じた。
なんの予備知識もなく、チケットをいただいたこともあって とにかく行ってみることにしたのだが、とても良い展覧会だった。

鉛筆だけで描くモノクロの世界、文章を使わずにコマ割りのみでストーリーが展開する『アライバル』の原画。
空想の世界は、言葉がないからこそ、イメージをかき立てる。色も音も言葉も無いのに、絵の隅々まで見渡したくなり、想像の世界に没入してしまうようだ。 鉛筆でここまでの緻密な濃淡と細かなディティールを表現できるとは!
ファンタジー映画を見ているような気持ちにさせる、不思議な絵。
登場する生き物たちは、ありそうでなさそうで、愉快でかわいらしくて怖くて気持ち悪くて? でも、なんだか憎めない・・そんな感じがした。

会場を巡るときに、少し順序を間違えて 最新作の大きな油絵を見るところから見始めたのだが、会場内の いわさきちひろの原画もじっくりみて、
その後、本来なら一番最初に見るべき 『ロストシング』の原画のコーナー
美術館の閉館間際に、ロストシングのアニメーション原画や絵本原画 アニメーション上映に見入ってしまい・・その魅力に引き込まれてしまって ついついDVDまで買ってしまったという!!


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なんだろう?この、ありそうで、なさそうで 言葉を越えた世界共通の不思議な感覚・・
人間界のちょっぴり切ない気持ちのやりとりと、あり得ない生き物たちの登場と。この独特な世界観こそ、ショーンタンの世界なのだろう!

帰り道、またパラパラと雨が降ってきてしまい、急いで自転車のペダルを踏みながら帰路へ。


メスキータ展

東京ステーションギャラリーで開催中のメスキータ展(会期:2019年6月29日(土)-8月18日(日))
これまた、頂き物のチケットを手に、東京駅へ。 丸の内北口を出てすぐに美術館の入り口はあった。 実は、初めての東京ステーションギャラリー、どんな空間なのかと期待感を持って入館!

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木版作品を多く制作していたメスキータ、ショーンタンが描いた濃淡満載の鉛筆画とは違った、ハイコントラストのモノトーンの世界観を堪能できる。
描こうとする人物や動物・植物などのモチーフと背景の模様等をシンプルに構成しなおし、版画を試し刷りする間に版に手を加えながら絵を変更していく。
200点を超えるたくさんの作品は、ほとんどが版画作品であったがグラフィックデザイン要素の強いものばかり。プリントを重ねて変更していったり、版に手を加えてプリント段階での変化を作品にしてみたり。印刷過程の試行錯誤が作品となっている。

ドローイング作品も多数展示されていたが、展覧会での解説によれば、シュルレアリスムにおけるオートマティスム(自動筆記)の先駆けとあった。オートマティスム?・・私には、無意識に描いたドローイングというよりも、心の中を具体的に描いたもののように感じたけれども。
良く見ると、物語の一場面のようでもあるし・・ユーモアのある表情に見える登場人物は、小説の挿絵のようにも見えた。
木版のシンプルで明快で構成的な作品に対して、繊細で不可思議でハッキリしない部分も持ち合わせた曖昧で幻想的な世界。
相反するような二つの画風で制作することで、バランスを保っていたのかな・・。


野蛮と洗練 加守田章二の陶芸

ホテルオークラの脇にひっそりと建つ美術館、菊池寛実記念 智美術館 ・・・長い名前・・!
こちらも初めて訪れる場所であったが、まず虎ノ門という場所にほとんど行ったことが無い。
周りには大使館も点在し、道には警察官の姿も見られて物々しい雰囲気。
ホテルオークラは工事中だし土地勘ないし・・で、到着には少し時間がかかってしまったが、訪れた時期が涼しい時期で良かった。これが酷暑日だったら、道に迷った時点で 行くのをあきらめたかもしれない。

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美術館の内も外も、都会のどまん中にして静寂・・おとなの落ち着いた空間。(外は、若干 工事中のところが多いのでそこら辺は残念ですが)
地下一階の展示室に 陶芸作品が並ぶ。
陶芸などの工芸品のために作られた空間、ライティングも暗さの中から作品が浮かび上がるように設計されているようだ。
立体作品はぐるりと回り込んで観たいものだが、それも可能になるように 中央になだらかな曲線を描きながら展示台が置かれている。

加守田章二の作品は、タイトル通り 野蛮というか・・ごつくて力強い素材を相手にしながら、等間隔の波模様、幾何学的なパターン、それでいながら優しさも感じるような曲線。 優しさと きわどさ 冷静と情熱と、華奢とモダンと・・ 
バランス感覚がとても素敵だった。

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この展示はすでに終了。




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