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2020年8月11日 (火)

あるがままのアート/ 芸大美術館  バウハウス展 / 東京ステーションギャラリー

コロナ禍は、おさまるどころか
連休や夏休みも相まって・・
全国で感染者数が増え続けている状況です。

ここ半年はお家周辺が行動範囲 と言う人も多くみられるのですが・・。
なんだか市中感染、家庭内感染が拡がってきている模様。

おまけに、長い梅雨が明けたと思ったら、酷暑がやってきて 連日35℃を越える日が続くという厳しすぎる毎日。

自分の牙が進化しすぎて自身を滅亡させたマンモスと同じく、やはりこれは人間が進化しすぎたことにより、人間が人間自身に牙をむく時代になってきたのでしょうか。
便利な世の中がイコール『豊かな』世の中だというわけではありません、多少不便なくらいのほうが地球に優しかったのでしょう。

エアコンを使わないと、命に関わる熱中症になる・・ エアコンを使う、そしてまた地球温暖化が進む。
悪循環だけれど、結局そのサイクルに入ってしまいます。
人間にとって便利でお金が循環するのが『豊かな』ことなのか?
多少お金に不自由しても心身ともに健康で、季節の移ろいに心も変化させながら、日々の美しさや優しさに気づきながらゆったりと生活する時間こそが『豊かな』ことなのか?

地球に生きる私たちが、それぞれの根本的な生活そのものを問われ始めているように感じる2020年です。

なかなか、思い立ったらふらりと出かけると言うことができないこの頃ですが、先日
予約をして、観に行ってきたのが
上野の芸大美術館で開催中の あるがままのアート

作者の家族を始め、生活をサポートする周囲の人々の存在があってこそだとは思いますが
この、生きること = 表現すること  no art  no life   というテーマが心に刺さります。





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表現せずには生きていけない
毎日の決まり事としての表現・・・


 

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紙片を、細く細くカールさせながら切る。
毎日定刻に、切る。
そのすべてを、作家の母親は保管している。

紙片のすべてが、生きている証し。
集中して自分やモチーフと向き合っているピュアな時間。

 

 

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紙を毎日、ボンドで貼り続ける。
何枚も何枚も何枚も、毎日、毎日、毎日。
そうして一年半。
そこには、大きな鍾乳石のような形状をした物体。
意図的にできたものではない、力強さ。
量産は決してできないこの形。

このすべてに、生きている時間が積み重なっている。

 

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日本地図を、世界地図を、細かく区切って丁寧に塗り分ける。
はみ出さず、色えんぴつの芯の色がしっかりとわかるように、力強く塗る。
その周りには、点。
リズミカルに音を立てながら、垂直に打つ 点。
点。 点。 点。 
おそらく、点の位置、色は、絶対的な位置なのではないか?

 

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こちらも、中央から広げられていった細かい色のつながり、ひとかけらひとかけらがつながって行く・・
まだ終わらない、まだ終わらない と、周囲の予想を遙かに超えてその色の断片はつながって行く。

 

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ユニークでどこかひょうきんな表情の陶製オブジェ。
そのどれにも、繰り返される 粒 粒 粒。
できあがった時に、作者は記憶のカメラのシャッターを押す。

 

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一年に一度、落ち葉を集めてきて、ちょうど良い堅さの葉をしごきながら
手の中であれよあれよという間に、動物を折る。
見事なフォルム。
・・いや、なんで?
なんで、こんなに的確に葉脈を上手に形に取り込みながら、折ることができるのか??

折り葉の大群を前に、しばし圧倒される。

 

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こちらは、折り葉と同じ作者の切り紙。
これらすべてが、おそらくはさみによる技。
おそらく、下書き無し。
切って、切って、切りまくる!


時間をかけて映像と共に鑑賞する展覧会。
入場は無料ですが、とても『豊かな』時間を過ごしました。

やりきる表現 ってこういうこと
やりきる作品 の力強さ。
周囲がどうだとか、その先に何があるとか、これで儲かるとか
そういうことではない、生きるための行為、表現がこれほど、心を揺さぶられる物なんだと。

写真撮影不可の大きな作品も必見でした。
本物をぜひ観てほしい。 
おすすめの展覧会です。



その日は、もう一つの展覧会をハシゴ。

途中、不忍池で蓮の花を鑑賞。
東京のど真ん中なんだけど、どこか異国情緒があるのは、遠くに見える不忍弁天堂の屋根のせいか?
緑とピンクの配色か?

大きな蓮の葉と、垂直にポンポンと咲く見事な花。

GO TO TRAVEL も東京除外だし、密な場所への外出もはばかられるので
この夏休みは、外を散歩しながら Discover Tokyo もいいのでは?
(とはいえ、この日は梅雨明け前の涼しい日だったのですが、この酷暑では無理かな?)

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続いて向かったのは、 東京ステーションギャラリー バウハウス展

開校100年だということで、大々的にバウハウスについて展示されるのかな? 

 

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との期待をもって、やってきたのですが・・・・・。

1995年、池袋にまだセゾン美術館があった頃みた展覧会とはかなりの差があり、
パネルを読み進めて展示会場を進む構成で、おおまかなバウハウスの流れはわかるものの、これだったら 実物を観に足を運ばなくても
展覧会図録や、関係書籍を読むことでも足りるのではないか?
と、やや期待はずれの感想。


ただ今開催中の展覧会は
入場制限をしていたり、チケット購入を予約制にしていたり、窓口で買えなかったりと、美術館によっていろいろなので
事前に必ずホームページなどで調べてから足を運ぶようにしましょう。

それにしても、インターネットが無ければ、もうチケットも買えないんですから・・・
この先も、どうなっていくのか? いろいろと心配な世の中になりつつありますね。

 

 

(m)


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