ジョゼフ・コーネル DIC川村記念美術館
台風が日本列島を縦断していたシルバーウィーク。
大抵の美術館が月曜日休館のことが多いのだが
この日は敬老の日ということで開館。
前日の、日曜日が台風の影響で東京は土砂降りだったこともあり まだ台風が抜けきらない月曜日は当然、雨に降られるかと思いきや・・
東京駅でも、その後乗ったバスでも、雨の気配はなく、DIC川村記念美術館 に到着した時には、晴れ間も出て
広々とした池とその周りを囲む緑が眩しいほどだった。
初めて訪問する DIC川村記念美術館。
東京駅からバスに乗って一時間。ちょっとした小旅行だが
時刻さえ合わせていけば、座って行けるし、思いの外 近く感じられた。
美術館の奥には自然林、広々とした芝生の広場、四季を通じた植物が楽しめる庭園やテニスコートなどもあり、時間に余裕があればゆっくりと散策するのも楽しいだろう。広場の中央には、ヘンリー・ムーアの彫刻が!
ここ数年、アプレットプラスのこどもデザイン造形教室では、通っているコドモたちが夏休みに集めてきたものを箱の中に貼り込む「夏休みボックス」というものを作っている。もちろん、私も同時に作っているわけで・・
どんなものかといえば、立体コラージュボックス といったところだが、どんな工夫ができるか、子どもたちにもいろいろと考えたり感じてほしいと思い、その参考になる資料を探していたときに、ジョゼフ・コーネルの箱 に出会った。
出会ったといってもネット上。
実際の箱を見たわけではなく、その立体感、質感、大きさ感、色合い等々、 想像することだけしかできなかった。
今回、初めて この川村記念美術館コレクション展示で、そのコーネルの作品を直接 見ることができた。
どこか、幻想的で詩的でアンティークで不思議で、無機質なようでいて有機的、バランスが取れているようでいてアンバランス・・
時が止まったような、でも動いているような・・箱という閉ざされた中なのに宇宙空間のような拡がる感じもしたが、
・・箱から何を受け取るのかは、見る人次第。
箱から独特の詩的なイメージが醸し出され、見る人それぞれの心をふわふわと揺れ動かす。・・それぞれの心には何が漂うのだろうか・・
もしかすると、どんな感じを受け取ったかを、あーでもないこーでもないと・・想像し合うのが楽しいのかもしれない。
この不可思議なコーネル作品の感覚や世界観を、夏休みボックスに投影することは難しいし、子どもたちに伝えるのも尚のこと難しいと感じたが、立体コラージュをするのなら、作者それぞれが持つイメージやテーマを、箱という小さな空間に閉じ込めることで、実世界のスケールとは異なる不思議で面白い世界を作ること、それこそをとことん楽しむことが大切な気がした。
ジョゼフ・コーネルの展示会場前では、手のひらサイズの小さな冊子がもらえる。
コレクション展示は、来年1月15日までとのこと。
もちろん、こうした企画展示以外に、常設展示も広々としたスペースとともに見応えがあるので
多少遠いとしても、行く価値のある美術館だと思う。
ピクトグラムや玄関ホールも美しい。
(m)
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